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廃油を60分でディーゼル燃料に転換する技術を開発

米カリフォルニア大学サンタクルーズ校は2024年11月8日、同大学の研究チームが、廃油からバイオディーゼルを生産する新しい手法を開発したと発表した。プロセスは単純で比較的穏やかな熱処理で済むため、より幅広い分野でバイオ燃料の採用を加速させる可能性がある。

新しく開発した手法では、テトラメチルホウ酸ナトリウム(NaB(OMe)4)を用いて、使用済み植物油をバイオディーゼルに変換する。テトラメチルホウ酸ナトリウムは、バイオディーゼル製造の際に油と反応する活性成分の生成に利用される。この物質を使えば、生成したバイオディーゼルと副産物を簡単に分離でき、生成過程で最も高価な成分を副産物から再利用できるというメリットもある。さらに、反応は40℃という低温で1時間以内に完了するため、エネルギーとコストの削減につながる。

一般消費者の自宅や自家用車では、太陽光や電気エネルギーを利用するケースが増えている一方で、巨大産業では依然としてディーゼル燃料に依存している。世界中で商品を輸送しているトラック、列車、船舶のほとんどがディーゼルエンジンで稼働しており、すぐに電化されることはないと研究チームは考えている。一方で、バイオディーゼルは、現在利用可能なカーボンニュートラルな燃料であり、既存のエンジンを改造することなく燃料として使用できる。

従来のバイオディーゼルの製造手法のなかには、副産物として石鹸が生成されることで燃料の精製が難しくなり、実際の製品の収量が少なくなるものもある。また、パーム油に依存する製造方法では、プランテーション用地を確保するために熱帯雨林の樹木を伐採しなければならない。さらに、従来法は非常に高い温度と圧力を必要とするエネルギー集約型の製造法だ。

今回開発した方法は、使用済み植物油の約85%をバイオディーゼルに変換でき、重機や輸送車両の燃料として使用するために必要な基準をほぼ満たしている。水分量が許容値をやや上回っているものの、製造をスケールアップすれば許容範囲に収まると推測している。

室温よりも少し高い温度で反応させるこの技術は、プロセスが単純でコストも低い。「最も高価な原料も再利用できるため、長期的に見ればコスト効率はより低下します。副産物と分離する精製所は必要なく、農場でこの手法を利用できる可能性もあります」と、研究チームは述べている。

研究成果は、『Energy & Fuels』 誌に2024年10月3日付で公開されている。

fabcross for エンジニアより転載)

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