Dr.片山の100均ロボット研究室
ロボットで動物の動きを再現! 100均グッズでアニマトロニクスにチャレンジ
こんにちは。片山均(かたやま ひとし)です。愛媛県八幡浜市にある三瀬医院で院長を務めながら、100円ショップのグッズを素材に、いろいろなロボット作成をしております。
今回は、アニマトロニクスにチャレンジします。
アニマトロニクスというのは、映画や博物館展示などでよく見かける、ロボットを使って動物の動きを再現する技術です。私もアニマトロニクスにチャレンジしたくなったので、チンパンジーのお面で作成してみました。その名もアニマトロニックチンパンジーです。
先日、某オンライン動画共有プラットフォーム(YouTube)を観ていると、チンパンジーの肩から上を再現した人形が紹介されていました。音声はありませんでしたが、表情を変えたり、喋ったりできるロボットで、どうやら10年以上前に日本でも販売されていた製品のようでした。その後しばらくして,偶然立ち寄った100均で、チンパンジーのお面を見つけました。すぐにそのチンパンジーロボが頭に浮かんだので、お面を購入し、100均ロボへ改造することにしました。
アニマトロニックチンパンジーの製作過程
アニマトロニックチンパンジーの材料は以下の通りです。
・ プチ電車(駆動車) 1個
・ チンパンジーのお面 1個
・ ピンポン玉 2個
・ 巻きす 1枚(分解して使用。竹の棒は1本)
・ 竹の箸 15本くらい
・ 竹串 5本くらい
・ 木製スティック 10本くらい
・ ストロー 1本
・ ミニストロー 2本
・ 厚紙 適量
・ タイルマット 1枚
・ 輪ゴム 3本
いつものようにざっとした設計図を書きました。この通りに進むかどうかは神のみぞ知る……。
まずは、竹の箸、竹串、巻きすの竹、ストロー、ミニストローで、プチ電車を載せるやぐらを作ります。
コンパスカッターで厚紙とタイルマットを円形に切り出し、プチ電車の車輪を載せるパーツやプーリーを作ります。
車輪を載せるパーツをやぐらに取り付けます。
プーリーに輪ゴムをかけて、やぐらに取り付けます。
首振りの機構を作るため、ストローと竹箸でてこクランク機構を作って取り付けます。
こちらは口を開閉する機構です。
瞼を開閉する機構も作りました。
お次は目玉と瞼を作ります。まずはカッターで切り出し。
瞳はマジックで描きました。
ピンポン玉を4分の1にカットして作った、まぶたを取り付けました。
目玉を取り付けました。
チンパンジーのお面に加工をしていきます。まずは口の下部を切り取ります。
上唇を補強します。
切り取った下唇部分も補強します。
やぐらにチンパンジーのお面を取り付ければ完成です。
100均お面のクオリティに助けられた
チンパンジーが顔を左右に振りながら、口を開閉し瞬きをします。ちょっとしゃべっているみたいですね(チンパンジーはしゃべりませんけど)。
今回はプチ電車を動力として、100円ショップの材料だけでアニマトロニクスを制作しました。使っている機構は、てこクランク機構などシンプルなものです。
こだわりポイントは瞳です。眼窩(眼球のくぼみ)の奥に瞳を描くことで、なんちゃって追視機能を実現しています。また、眼球に使ったビンポン玉は透けるので、背景が明るいところでは目が光って見えます。
地味に苦労したのが、チンパンジーの顔。お面という既製品にまぶたや口の開閉機構を追加する際の、位置合わせに四苦八苦しました。
一方で、このチンパンジーのお面のクオリティに助けられました。素材が柔らかく加工しやすかったのも好印象です。もしかしたら、もっと本格的なアニマトロニクスにも使えるかもしれません。100円ショップのお面、侮れませんね。
第22回の研究発表は以上です。次回もお楽しみに!
企画・制作:片山均
取材・文:三浦一紀