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未来のデザインとテクノロジーが東京に集結、DESIGNART TOKYO 2024が開幕

2024年10月18日から27日まで、デザインとアートのフェスティバルイベント「DESIGNART TOKYO 2024」が開催中だ。

会場は都心8エリア、96カ所に点在し、デザイン、アート、インテリア、ファッションなど117作品を展示する。本記事ではデジタルファブリケーションやハードウェアに関連する作品の一部を紹介する。

The First 130 / Furnitures in Space

MagnaRectaは3Dプリントによるインテリアブランド「130」の製品を、ISSEY MIYAKE GINZA(銀座)で展示している。代表の加藤 大直氏は、2011年に「RepRap Community Japan」の創設に関わり、10年以上にわたってオープンソース3Dプリンターコミュニティで活動してきたエンジニアでありデザイナーだ。

加藤氏は3Dプリンターメーカー「GENKEI」の共同創業者でもあり、FFF方式3Dプリンターの開発・製造・販売に携わってきた。2017年にGENKEIはMagnaRectaに組織変更し、これまで培った3Dプリントやロボティクス技術を応用した事業を展開している。

同社は2019年からアパレルブランド「A-POC ABLE ISSEY MIYAKE」との共同開発を通じ、PET樹脂を3Dプリンターで棒状に造形する技術を開発。その過程で得た技術を応用し、2024年にインテリアブランド「130」を立ち上げた。加藤氏によると、棒状のフレームにすることで製造プロセスの二酸化炭素排出量を約10分の1に抑え、修復も容易になる。また、製品をペレット材にリサイクルし、別の製品に再利用することも可能だという。

「130」はこれまで法人向けに製品を提供してきたが、今後は一般販売も視野に入れている。

格子状のフレームが凹凸や曲線を表現している

100BANCH

パナソニックが運営する共創スペース「100BANCH」(渋谷)では、若手アーティストやクリエイター、スタートアップによる作品を展示。持続可能性やリサイクル、自然との共生をテーマにした作品を通じて、未来の社会を形作るための新しいアイデアや技術が提案されている。

3階のイベントスペースでは、パナソニックが開発した高濃度セルロースファイバー成形材料「kinari」を使用したテーブルとチェアのセット「年輪の家具」が展示されている。

作品は、東京を拠点に活動する「積彩」が手がけ、コンピュテーショナルデザインによって年輪をモチーフにしている。kinariは間伐材やコーヒーかすなどの廃材を利用して風合いを調整可能で、3Dプリンターを使った独自の質感を表現している。

同じフロアでは、高橋良爾氏による「DEW」も展示されている。水の屈折や揺らぎを利用して、光の独特な効果を生み出すインテリア製品で、水の自然なリズムを取り入れることで都会の中でも自然の癒しを感じさせることを目的としている。

DEWは2011年に着想された。当初は技術的なハードルにより製品化が難航していたが、パナソニックの技術協力を得て量産モデルの完成にこぎつけた。ミラノサローネのパーマネントコレクションにも選ばれ、海外でも高い評価を受けている。

2階では、バイオを活用した7点の意欲的なプロジェクトが展示されている。その中の一つ「培養エナジードリンク:人魚の肉を添えて」は、細胞培養技術や再生医療技術を応用したアート作品。

高麗人参やハスカップなどから抽出したエキスと、細胞培養に必要な栄養素を調合したエナジードリンク「人魚の涙」を試飲できる。開発したのは、培養肉の研究を進める有志団体「Shojinmeat Project」のメンバーだ。

その他、注目の展示

HONOKA × TAKASHIMAYA|TSUNAGU ACTION POP-UP

プロダクトデザイナー集団「HONOKA」は、日本橋の髙島屋で廃棄される畳と生分解性樹脂を使って造形した家具やインテリアを展示販売している。また、HONOKAは日比谷OKUROJIでも使用済のウォーターボトルをアップサイクルした作品「trace of water」も展示中だ。

AAAQ | Visible Stress

都淳朗氏と太田壮氏によるクリエイティブ・ユニット「AAAQ」は、東京ミッドタウンで「Visible Stress」と題された作品群の展示販売を行う。

透明な樹脂素材を真空成形によって加工。外力を受けてひずんだ弾性体に光を照射すると複屈折を起こす「光弾性」をアートに昇華した。

ユカイ工学 | PROTOTYPING YUKAI

BOCCOやQooboなどユニークなロボットを開発するユカイ工学は、日比谷OKUROJIで自社製品の開発プロセスを展示する 。また、社員による社内メイカソンイベントから生まれた試作品群も出展。ユカイ工学の開発現場の一端が垣間見られる内容だ。

慶應義塾大学・中西泰人研究室 | 風景のメカニズム2

慶應義塾大学・中西泰人研究室は、西武渋谷店7階イベントホールで家具型・遊具型ロボットを展示する

会場では移動・変形する家具型ロボットの展示や、HMDを装着して車椅子のようなモビリティに乗ることで物理的な移動を超えた加速度や移動量、存在感を体感できるアトラクションが体験できる。

その他の展示は公式サイトで確認できる。

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