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UAEの研究者らが、船やフェリーの動力源「空気作動式プロペラ」を開発

Credit: Ocean Engineering. DOI: 10.1016/j.oceaneng.2024.118335

アラブ首長国連邦(UAE)のシャルジャ大学の研究チームは、2024年9月9日、既存の電気やディーゼルエンジンに代わる「空気作動式プロペラ」機構を、船舶やフェリーの駆動システムとして設計したと発表した。

研究チームによると、このシステムは経済的に実現可能であり、従来のエンジンよりもエネルギー使用効率が高く、環境に優しいという。大気に排出されるガスの削減、燃料やエンジンオイルによる水質汚染、過度の騒音低減など、環境面での多大なメリットを予測している。

研究チームは、従来のエンジン駆動に代わる、空気作動式プロペラを使用したフェリーボートの影響を研究するプロジェクトについて、学術誌『Ocean Engineering』に発表した。

論文では、空気作動式プロペラの性能を分析し、電気化学電池を動力源とする電気推進システムの性能と比較した。さらに、同システムの利用によって削減される二酸化炭素排出量を定量化するため、ライフサイクル分析も実施した。

これらのテストは、事前に決められたUAEの航路で、乗客や貨物の輸送船で実施された。結果は、空気作動式プロペラは電気モーターと比較して、推進力が6%向上し、二酸化炭素排出量の削減量が307kgCO2/年になると証明した。

空気作動式プロペラは、ディーゼルや電気式のプロペラに比べてエネルギー要件、汚染、騒音の削減などの面で環境に優しく、効果的で、持続可能性がある。この結果を受け、研究チームは、ライフサイクルアセスメントにより、使用される機器や材料のカーボンフットプリントは、従来の電気推進システムよりも大幅に縮小すると説明している。

また、同システムのエアモーターを駆動する圧縮空気タンクは、乗客の乗船を待つ間や目的地に到着後などに空気を補給する。このため、レジャー目的の航行には適さない可能性があるが、事前に定められた停留所間で乗客を運ぶ船舶に適している。

ドバイにおいて、現在のフェリー停留所間にシステムを設置することは現実的に可能とされ、電気システムに比べて充填速度が速く、ディーゼルの充填時間と競合し、空気圧推進のもう一つの利点となる。

研究チームは、このプロジェクトの事業化を目指して、UAEの2つの施設と協力し、ドバイの道路交通局と、ボート製造施設を備えたシャルジャウォータースポーツクラブに空気作動式プロペラシステムを導入している。

fabcross for エンジニアより転載)

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