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複雑なモデルも忠実に再現——デスクトップサイズのSLS方式3Dプリンター「Micron」

デスクトップサイズのSLS(粉末焼結積層造形)方式3Dプリンター「Micron」がKickstarterに登場し、目標額の調達に成功している。

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Micronは、自宅に設置可能なコンパクトサイズながら、工業グレードのパーツを造形できるSLS方式3Dプリンターだ。複雑な形状のCADモデルを忠実に再現でき、細部まで正確なプロトタイプや高強度の最終パーツを容易に作製できるようになる。独自のガルバノクローズドループレーザーシステムを搭載し、0.02mm以下の繰り返し精度と0.25mmのスポットサイズにより、厳格な精度が要求される部品の造形が可能。粉末材料にレーザーを照射して焼結するSLS方式は、サポートが不要なため加工エリアをすべて活用でき、材料ロスの軽減にも寄与する。

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材料は、ナイロン、TPU、炭素繊維複合材料、高品質ポリマーなどに対応し、細かい積層により強度、耐熱、耐久性に優れた部品を造形できる。FFF方式で起きやすい積層間の割れが生じにくいため、複数の可動パーツを組み合わせたアセンブリ部品への適用や、ドリルや切削などの後加工が容易にできる。造形後はパウダーケーキを取り出し、専用の容器「Sift Bin」に入れ振ることで粉末を除去する。部品に付着した粉末はメディアブラストで完全に取り除き、除去した粉末は回収して再利用できる。完全密閉型の粉末処理システムを採用することで、生産性とメンテナンス性を高めている。

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本体サイズは310×330×700mmで重さは19kg、粉末材料を8.9リットル収納できる。造形エリアは160×160×205mmで最大サイズ145×145×200mmの部品を造形でき、最高造形速度は時速67mm(レイヤー厚150μm時)だ。最適な部品の配置により造形効率を高める独自のスライサーソフト「MicroSlicer」を提供する。

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Micronの予定小売価格は4499ドル(約72万7000円)のところ、今なら数量限定早割価格3699ドル(約59万8000円)で入手できる。2025年6月の出荷を予定しており、日本への送料は現時点では未定だ。2024年7月14日までクラウドファンディングを実施中で、7月2日時点で10万ドル(約1620万円)の目標額を大きく上回る約136万ドル(約2億1900万円)を集めている。

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